「メイド・イン・村上春樹」プロジェクト・ブログ

なぜ村上春樹が世界の50以上の言語に翻訳されているか?

もし村上春樹がノーベル文学賞を受賞したら

もし村上春樹ノーベル文学賞を受賞したら・・・ノーベル賞受賞を「メイド・イン・村上春樹

メイド・イン・村上春樹 | 田村道雄 |本 | 通販 | Amazon

が解析。村上春樹が米国で本を出しているクノップフ社のharukimurakami.com によると、村上作品は、世界の50以上の言語に訳されていると述べている。「メイド・イン・村上春樹」では、その「作品」が、なぜ言葉の国境を越え続けているかを解明していく。
理由は、4つある。
村上春樹は、映画=とくにハリウッド映画=の手法をとり入れている。ハリウッド映画は、米国内の多民族に受け入れられ、世界各国に輸出されているが、村上はそのノウハウを小説に活かしながら、さらに自らのオリジナリティをつけ加えている。映画のタイトルを使って「夫婦の微妙な関係」を表現したのは、日本の作家では村上春樹が初めてではないか?
村上春樹は、世界に浸透していった米国発の文化(ポップス、ジャズ、エンターテインメント産業など)を原点としながら、そのテイストや、リズムのベースを崩さない。たとえばモスバーガーは、マクドナルドに対抗して、日本人にあう味覚を提案したが、村上春樹はその路線はとらなかった。
村上春樹は、創業期におけるソニートランジスタ・ラジオのように、米国内で自分の作品の市場を確立したあと、世界へと飛躍していった。これは「アメリカで英語で出版すれば、それは結局、世界のマーケットを相手にすることになるでしょう。」と述べて、『メイド・イン・ジャパン』を書いた、ソニーの創業者・盛田昭夫の言葉をまさに体現している。
村上春樹は翻訳が好きだ。「よその国の言葉で書かれたものを、こちらの国の言葉に置き換えていくこと」が「面白くてたまらないのだ。」。日本語においても、関西弁と東京の言葉を頭の中で「翻訳」している。この異なる言語の「言葉の置き換え」作業の中で、村上独自のグローバルな「文体」が創出された。